1/14,15 の2日間にわたって開催された Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013 に参加してきましたのでその模様の一部をご紹介させていただきたいと思います。
開催概要、タイムテーブルなど
- 公式のWeb
http://scrumgatheringtokyo.org/2013/ - 一日目のtogetter
http://togetter.com/li/439941
Agile Management – Learning From Software Development どのようにチームを導き、成長していくのか
Jurgen Appelo (ユルゲン・アペロ)氏
セッションのはじめはアジャイルコミュニティで最も影響力のある人々 の第6位の Jurgen Appelo氏によるセッションでした。
セッションの冒頭での「世界の半数の人は自分の仕事が嫌いなのに、ローン返済のためなどのために仕事をやめない」という話が印象的でした。
では、そのハッピーじゃない人たちがハッピーにになるための手段の一つがアジャイルであり、アジャイルに仕事をすることによって士気が上がって、ハッピーになっている事例があるということでした。
アジャイルと言っても手段や適応する局面はたくさんあるらしく、
その中で紹介されていた手法のうち、Beyond Budgeting という
脱予算経営、財務にアジリティを持たせるという手法は全く聞いたことがなく新鮮でした。
また、みんなが楽しく仕事をするためにマネージメントが重要。
ただ、重要なのは「マネージメント」であり、「マネージャ」ではない、
マネージメントは一人に任せるのにはあまりにも重要すぎるのでみんなで責任を持ってやろう!
Management3.0にはみんなの仕事を楽しくさせるヒントが詰まっているようです。
セッションを通して、マネージャとマネージメントをなんとなく混同していたことに気づいたことと、質疑応答であった「スキルセットではなくマインドセットで人を雇う」という一言が印象的でした。
話の随所にいろいろなヒントが詰まっている素晴らしいセッションでした。
Buy or Build: where did your agile come from 日本文化とアジャイル/スクラム
James O. Coplien (ジム・コプリエン)氏
2セッション目は、認定スクラムマスターの認定をしている組織のイベントでの壮大な認定資格を否定するというとても野心的なセッションでした。
スクラム認定を受けることによって何かができるようになるわけではなくて、
継続的にカイゼンを繰り返していくことに価値がある。
セッションの中で印象に残ったキーワードがいくつかありました。
- Scrumとは統制された失敗
- Scrumとはプラクティスではない。考えることだ
- Scrumとはどれくらい出来ていないかを見せる診断ツール
- Scrumに正解はない、正解がないのがScrum
ここからも、実践の大切さを感じることが出来ました。
Cope氏のセッションからは
「やってみて、失敗して、学んで、カイゼンすればいいんだ」
と勇気づけられた気がしました。
スクラム組織導入入門
NECビッグローブ株式会社 安西剛氏
株式会社NTTデータ 柴山洋徳氏
株式会社バンダイナムコスタジオ 松元健氏
ヤフー株式会社 小野澤興平氏
午後の1コマ目は、すでにScrumを実践している各社の実践者の方からの、いかにして組織にScrumを導入したかという体験談を聞ける貴重なセッションでした。
4社4様の状況に応じて違ったアプローチでScrumの導入をして行っているのが印象的でした。
「コンテキスト重要」と言ったところでしょうか。
そんな中でも
- 小さな成功を積み重ねる
- とにかく結果を出す
- スクラムは目的ではなく手段
- 個人ではなくチームの成長を
などの点は共通していたように感じました。[OpenJam] 「ビジネスモデルYOU」ワークショップ
@take3000
次は、オープンスペースでのOpenJam @take3000 さんによるビジネスモデルYOUのワークショップでした。
仮面ライダーネタなどを盛り込みつつ楽しいプレゼンテーションと、為になるワークのセットでした。
実際自分自身のパーソナルキャンパスを書いてみましたが、
自分自身のスキルや、周りとの関係を見直すいいツールだと感じられました。
時間が限られていたのでそこからの発展、これから自分としてどうしていきたいかまではかき上げることができなかったのが残念でした。
テンプレートはこちらにユーザー登録をするとダウンロードできるようになります。
スクラムの実践現場でのよいやり方を形式知にしよう!~ パターンマイニングワークショップ
鷲崎弘宜氏
スライドにある手順に従って5人程度のグループで実際にパターンをかき上げてみようというワークショップでした。
グループメンバーの経験に基づいてパターンを書いてみると、適切に抽象化してみると実はみんな同じようなことを経験していたことがわかりました。
その時、適切なパターン出会っていたらどうなっていたのか。など興味はつきませんでした。
「暗黙知を形式知に」よく聞くキーワードですが、それに対するアプローチとしてパターン化は有用だと感じました。
最後に
この素晴らしいイベントを計画&運営してくださったスタッフの皆様に感謝いたします。
おかげで非常に濃密な時間を過ごすことが出来ました。